行政不服審査法
条文ノート / 左:条文 / 右:解説(問題に出てきた条文をそのつど追加)
総則
| 条文 | 解説 |
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行政不服審査法1条 目的等
1項この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。 2項行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下単に「処分」という。)に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。 |
目的は 2 つ:① 国民の権利利益の救済(メイン) ② 行政の適正な運営の確保。 「違法」だけでなく「不当」(違法ではないが、よくない)処分も争える。ここが裁判(行訴法)とのちがい。 2項:処分の不服申立ては、ほかの法律に特別の定めがなければ行審法による(一般法)。 国民の救済のための法律なので、行政どうしの争い(7条2項)や、自分の利益にかかわらない立場での不服申立ては、行審法の対象ではない(令和6年 問題15)。
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行政不服審査法3条 不作為についての審査請求
法令に基づき行政庁に対して処分についての申請をした者は、当該申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、行政庁の不作為(法令に基づく申請に対して何らの処分をもしないことをいう。以下同じ。)がある場合には、次条の定めるところにより、当該不作為についての審査請求をすることができる。 |
不作為の審査請求ができるのは、申請をした人だけ。申請から相当の期間がたっても、何の処分もないときにできる。 法令違反を役所が放置している、という場合は、行審法の不作為ではない。それは行手法36条の3の処分等の求め(令和6年 問題15)。
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行政不服審査法7条2項 国の機関等に対する処分の適用除外
2項国の機関又は地方公共団体その他の公共団体若しくはその機関に対する処分で、これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の相手方となるもの及びその不作為については、この法律の規定は、適用しない。 |
固有の資格:私人は立つことのない、行政の立場ならではの資格。行政どうしの争いは国民の救済とはちがうので、行審法の外で解決する。 地方公共団体が私人と同じ立場で処分を受けるときは、行審法が適用される。 具体例① 固有の資格 → 行審法は使えない○○県の知事は、パスポートの発給の仕事をしている(もとは国の仕事を、県が法律にもとづいて引きうけている=法定受託事務)。そのやり方について、外務大臣から「法令に違反しているから直しなさい」という是正の指示を受けた。 この指示は、ふつうの市民が受けることのない、行政どうしの関係(国の関与)にもとづくもの。だから○○県は、行審法で「大臣の指示はおかしい」と審査請求することはできない。かわりに、地方自治法の国地方係争処理委員会に審査を申し出て争う。 具体例② 私人と同じ立場 → 行審法が使える○○市が市営バスを走らせるには、民間のバス会社と同じように、国土交通大臣の事業の許可(道路運送法)が必要。この許可を取り消されたとする。 バスの事業の許可は、民間の会社もふつうに受けるもの。○○市は「行政の立場」ではなく「民間の事業者と同じ立場」で処分を受けている。だから、市民や会社と同じように、行審法で審査請求できる。 判例 国の機関でも「私人と同じ立場」辺野古の埋立てで、国の機関(沖縄防衛局)が受けた公有水面埋立ての承認について、最高裁は、国の機関も私人と同じ立場で承認を受けるもので、固有の資格ではないとした(最判令和2年3月26日)。だから国の機関も、行審法で審査請求できる。 見わけかた:その処分を、民間の人や会社も同じように受けるか。受けるなら「私人と同じ立場」→ 行審法が使える。行政だけが受けるもの(国の関与など)なら「固有の資格」→ 使えない。
行手法にも同じような規定がある(行手法4条1項)。7条1項は、国会・裁判所の処分や刑事事件の処分など、個別の適用除外をならべている。
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