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行政手続法

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総則

条文解説
行政手続法3条3項 地方公共団体の機関の処分などの適用除外

3項第一項各号及び前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)及び行政指導、地方公共団体の機関に対する届出(前条第七号の通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)並びに地方公共団体の機関が命令等を定める行為については、次章から第六章までの規定は、適用しない。

条例・規則に根拠がある処分や、地方の行政指導には、行手法の規定が適用されない。地方の自治を尊重して、それぞれの地方公共団体が手続条例を作る(46条で努力義務)。

根拠が法律なら、地方公共団体の機関がする処分でも行手法が適用される。行政指導は、根拠が法律でも条例でも、地方の機関がするものなら適用されない。

具体例① 処分・根拠が法律 → 行手法が適用される

○○市の保健所が、食中毒を出したレストランに、食品衛生法(国の法律)にもとづいて営業許可を取り消す。

営業できなくなる重い処分なので、取り消す前に、レストランの言い分を聞く聴聞をしなければならない。その手続のルールは、国の行政手続法にしたがう。

具体例② 処分・根拠が条例 → 行手法は適用されない

○○市の市長が、路上でタバコをポイ捨てした人に、○○市ポイ捨て禁止条例にもとづいて 2,000円の過料(お金をはらわせる制裁。刑罰の罰金とはちがう)を科す。

根拠が市の条例なので、国の行政手続法は適用されない。かわりに、市が作った○○市行政手続条例にしたがって、手続をする。

具体例③ 行政指導 → 根拠が法律でも条例でも、行手法は適用されない

A(法律が背景):○○市の建築主事が、マンションの建設業者に「建築基準法の基準ぎりぎりなので、もうすこし安全な設計に変えてもらえませんか」とお願いする。

B(条例が背景):○○市が、はでな看板のお店に「○○市景観条例にあわせて、落ちついた色に変えてもらえませんか」とお願いする。

どちらも、市の職員がするお願い(行政指導)なので、国の行政手続法は適用されない。○○市行政手続条例にしたがって、書面を渡すことなどをする。

おぼえかた:地方の処分は「根拠が法律か条例か」で分かれる。地方の行政指導は、いつでも行手法の外。
行審法には、このような適用除外はない(令和6年 問題15)。具体例②の過料に不服があれば、行審法で審査請求できる。
行政手続法4条1項 国の機関等に対する処分等の適用除外

1項国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この法律の規定は、適用しない。

固有の資格:私人は立つことのない、行政の立場ならではの資格。行政どうしの関係は、国民の権利を守る手続とはちがうので、行手法の外。

行審法にも同じような規定がある(行審法7条2項)。

不利益処分(通則)

条文解説
行政手続法13条2項4号 意見陳述の手続がいらない場合(金銭)

2項次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。

4号納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。

「前項」(13条1項)は、不利益処分をする前に、聴聞または弁明の機会の付与をしなければならない、という規定。

お金の処分は、あとから払いもどしなどで調整できるので、処分の前に意見を聞く手続はいらない。

処分のあとに行審法で審査請求することは、ふつうにできる(令和6年 問題15)。

処分等の求め

条文解説
行政手続法36条の3第1項 処分等の求め

1項何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導(その根拠となる規定が法律に置かれているものに限る。)がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する行政機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。

法令違反を見つけたら、だれでも(利害関係がなくても)、役所に「処分(行政指導)をしてください」と申し出ることができる。

申し出を受けた役所は、必要な調査をして、必要があると認めるときは処分などをしなければならない(3項)。

行審法の「不作為」(行審法3条)とはちがう。行審法の不作為は、申請をした人が、その申請への処分がないことを争うもの。